バングラデシュでのモノ作り

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【バングラデシュでのモノ作り】

ここではバングラデシュでモノ作りをする上でのメリット、デメリット、対策などを簡潔に説明していきます。

 

メリット〜安価な労働コストと、豊富な労働力〜

バングラデシュの製造業労働者の労働コストは月額123ドルで、中国の5分の1、インドの3分の1にすぎず、カンボジアやミャンマーと共にアジアの最貧国に属しています。

また人口が1億5,000万人と相対的に多く、労働コストで競合するカンボジアとミャンマーの人口を合計しても、バングラデシュの半分にしかなりません。

1億5,000万人が日本の4割しかない国土に暮らしており、特に縫製工場が集まる首都のダッカの人口密度は23,000人/㎢で、東京都のそれの約4倍にもなります。

これらの条件から、縫製工場の労働力を安定的に確保できるようになっています。

 

また国家としては独立が1971年と歴史が浅いのですが、日本が世界で最初に国家承認した事や、それ以降も日本がバングラデシュに対して最大級の経済援助を行ったことから、バングラデシュ国民が非常に親日的な点も忘れてはいけません。

デメリット①〜不安定・未整備なインフラ環境〜

バングラデシュの電力や道路等のインフラ環境はまだまだ未整備です。
経済協力開発機構(OECD)という国際機関が調査した「世界競争力ランキング」で、調査対象142カ国中、129位と下から13番目で、この大きな原因が未整備なインフラ環境とされています。
特に電力供給面が悪く、先進国では考えも寄らない突然の停電が発生したりします。
基本的に24時間電力供給が約束されている輸出加工区でさえ、頻度は少なくなりましたが1日数時間に渡る停電が発生することがないとは言い切れません。
これらの要因が生産スケジュールに影響し、納期に間に合わせる為に船便から航空便への輸出へ切り替え、当初の輸出コストから大幅にアップすることがあります。

デメリット②〜品質管理〜

バングラデシュで生産する上で特に注意しないといけないのが、品質管理です。
品質管理は日本でも韓国、中国でも、どの国でも行うのですが、その中で不良品の発生率が一番高いのはバングラデシュです。
原因は様々ですが、手で食事をとる習慣での生地汚れ、生地の裁断時に生じる伸縮でのサイズ不良などがあります。

デメリット③〜ロットと輸送期間

 

中国、韓国、日本で生産する事に慣れている日本の企業にとって、バングラデシュで生産する上で必要なロット数や納期を聞くと、尻込みされるケースが多いかと思います。

欧米の有名なファストファッションブランドが日本に先駆けてバングラデシュで生産をしており、バングラデシュの縫製工場の基準が欧米基準になっているのが大きなロット数の原因です。

また中国、韓国と異なり物理的な距離が輸送期間に影響しています。

韓国で輸送期間1日、中国で輸送期間3〜4日に対し、バングラデシュは3週間〜25日と長くなっています。

 

対応策

①余裕をもった納期管理

 

日本、韓国、中国などの先進諸国では考えにくい停電。

しかしこればかりは一企業だけでどうにかできる問題ではありません。

提携工場が出してくる生産スケジュールは、工場が24時間稼働での計算に基づいていますが、そこに季節に応じた停電リスクを考慮し、余裕を持たせた納期管理を行うことで、対応いたします。

②第三者検品

 

工場でもメーカーでもない、第三者の日系検品会社によって検品いたします。

バングラデシュでの検品には出張検品という形がメインになります。

日本国内での検品はセンター検品といって検品会社に製品を持ち込み、そこで検品作業を行うのですが、バングラデシュでは検品会社の検品作業員が工場に出張し、工場内で検品するのが多いです。

③定番商品をバングラデシュで

 

輸送期間が韓国、中国と比べてかかってしまうのは、どうしようもありません。

体制が整っていれば、今週末売れた品番を色違いで来週末店頭に投入、という事も韓国、中国では可能です。

バングラデシュで生産する場合、流行を追ったものではなく、定番商品に絞って生産する事をお勧めします。

またロットについては弊社ではデニム素材に特化し、生地メーカーと連携し1型500枚からの生産を可能にしました。